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  • 本田有明

手帳のカードがおもしろい

更新日:1月9日

年頭に心を澄ます

 毎年NOLTYという手帳を使っています。この手帳には、付録のような感じで名刺大のカードがついているのですが、そこに書かれている文章がなかなかおもしろい。


 昨年はこうでした。




「なにかをやりたいと思う気持ちは、ひとつの奇跡だと思う。

 誰かに強制されるでもなく、心に湧き上がる衝動。

 きっと、その衝動こそが、人生を自分の色に染めていく。

 この手帳に嘘はいらない。小さくてもいい、らしくなくてもいい。

 やりたいことこそ、やるべきこと。

 ノルティと歩む一年が、あなただけの彩りで満ちますように」


 今年はこうです。


「自分で自分を小さくしない。

 いつもなら、行かないところへ。

 いつもなら、会わない人と。

 いつもなら、やらないことを。

 はじめての何かに出会うたび、新しい自分が顔を出す。

 意外と楽しい。意外と似合う。自分らしさなんて、上書きすればいい。

 変わりゆく時代に、変われる強さを。ノルティはそんな毎日を応援したい」

 

儀文めいた思いとともに

「カッコつけてる」と感じる方がいるかもしれません。でも、背筋をのばして音読すると、「なるほど」という気持ちにもなります。年頭に、こんな文章を口ずさんでみるのも一興でしょう。


 私はふと、二十代のころに愛唱した中原中也の詩を思い出しました。


「きらびやかでもないけれど、/この一本の手綱をはなさず/この陰暗の地域をすぎる!/その志明らかなれば/冬の夜を、われは嘆かず(中略)

よろめくままに静もりを保ち、/いささかは儀文めいた心地をもって/われはわが怠惰を諫める/寒月の下をゆきながら」



 文体には古今の差がありますが、どちらの文章にも通底するものがあるように感じます。

 2024年が「あなただけの彩り」で満ちた年となりますように。




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